水のコラム

蛇口から水が出ない、排水溝の水が流れない…キッチンの水回りトラブルの対処法とは?

2021年09月07日  キッチンの直し方

水垢、油、食材カス、石鹸カス、果汁や肉汁、埃…キッチンは家の中で最も多様な汚れが付く場所です。それらの多くはすぐに拭けば落ちますが、キッチンの台の上と同様に目に見えないところにも汚れが溜まっていることに注意しなければなりません。

特に、排水溝の水はけの悪さや漂ってくる下水の臭い、蛇口からの出の悪さに悩むお声は多くいただきます。それらの原因は、何なのでしょうか。対処法と合わせて紹介しましょう。

蛇口の水の出が悪い

食事の後シンクいっぱいに溜まった食器や調理器具を洗いたいのに、蛇口から水がチョロチョロとしか出ないとなったら、とてももどかしい気持ちになります。このようなとき、浄水器や蛇口の吐水口に問題があると考える方が多いと思いますが、まずは止水栓をチェックしましょう。

シンクの下にある止水栓が、何らかの圧力を受けて閉まり、水が思うように出なくなっている可能性が高いです。もしきちんと止水栓が開いているなら、水栓側に問題があると考えて良いでしょう。水栓についている切り替えのコックを外し、水が出るようなら浄水器に、出ないようなら吐水口に不具合があります。浄水器のカートリッジ交換や、吐水口の先端のフィルター掃除で改善することがほとんどです。

それでも状況が変わらないのであれば、給水管にサビ詰まりなどのトラブルがあるかもしれません。その場合は個人で対処することは難しいので、業者に依頼した方が良いでしょう。

排水溝の詰まり

排水口のゴミ受けにネットを張っていても、油をふき取ってから食器を洗っていても、排水管は詰まるときには詰まります。お皿についている調味料や肉汁、まな板についた小さな食材カスが、排水管内に滞留ししている水垢や石鹸カスやぬめりに引っ掛かり巨大化すると、排水管を塞ぐまでの大きさになるのです。

また、台所は調理だけでなく、さまざまな洗剤や掃除道具を使用する場所でもあります。洗剤の詰め替え容器でプラスチックの切れ端やキャップ、歯ブラシなどの固形物や、子ども用やデザート用の小さなカトラリーが誤って排水溝に流れ込み、排水管に滞留して水の流れをせき止めてしまうケースもあるのです。

排水溝に固形物を詰まらせてしまった場合、まずは排水トラップを取り出してみましょう。排水トラップとは、封水というドラム型の装置の中に貯水することで、下水からの臭いや害虫の流入を防ぐ役割を担っているもので、排水溝のゴミ受けのすぐ下にあります。取り出してそこに固形物が見当たらないようなら、吸引力と圧力で対処してみましょう。

スッポンの愛称でお馴染みのラバーカップがご自宅にあるようなら、利用しましょう。排水溝に垂直に張りつけ、カップが半分埋まるくらいの水を溜め、思い切り引き上げ、その後押し付ける工程を繰り返します。真空状態が排水管の内部に生まれるため、詰まっているものを強力に吸い出すことが可能です。

ご自宅にラバーカップがないようなら、半分にカットした500ミリリットルサイズのペットボトルでも代用は可能です。ボトルの切り口を押し付け、ペコペコとボトルをへこませてみましょう。より強力な力で吸引したいという方には、真空式パイプクリーナーという道具をおすすめします。

また、ワイヤーブラシという、細長いワイヤーの先にブラシがついており、それで汚れを掻き出すものもありますが、排水管を傷つけ、そこから雑菌が繁殖する恐れがあるためあまりおすすめはできません。どうしても取れない場合は業者の力を借りることを推奨します。

固形物は流していないが、日常の汚れが蓄積して詰まっている場合、薬剤などを使用して溶かす方法もあります。パイプユニッシュなどの強力な薬剤は多く販売されていますが、まずはご自宅にある重曹とクエン酸を使用して詰まりにアプローチしてみてください。

2分の1カップの重曹にカップ1杯のクエン酸を加え排水口に入れ、適量のお湯を注ぎます。すると、シュワシュワと発泡を始めますので、1時間ほど時間をおいてから、十分な量のぬるま湯で洗い流します。細かな泡が、排水管の中にこびり付いた油汚れなどを浮かしてくれるだけでなく、除菌の効果もあるので悪臭などに悩む方にもおすすめです。

また、自然な素材を使用しているため、小さなお子様がいるご家庭や、肌の弱く強い薬剤の使用が困難な方にもマッチする方法でしょう。ただし、重曹には研磨作用があるので、頻繁に使用するとシンク内部に傷がつく可能性があるので注意してください。

詰まりを起こさないために

キッチンの台の上の汚れがすぐにふき取ればきれいになるように、排水管の汚れもその日のうちに対処すれば洗い流せます。食器やシンクが洗い終わったら、やかんに沸かした40℃から60℃のぬるま湯を排水管に流し込みましょう。付着してすぐの油汚れなら、それだけできれいになります。熱湯使用すると排水管が変形してしまう恐れがあるため、温度には十分注意してください。

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