水のコラム

排水トラップの種類は何種類?種類や仕組みを覚えてトラブル回避も!

2023年01月13日  水道管のトラブル

排水トラップとは、排水管からの悪臭や害虫を室内に侵入させないという大切な役割があります。このトラップにはいくつかの種類が存在していて、場所や水栓のタイプによって異なります。

種類や仕組みを覚えておくだけで、トラブルを回避することも可能です。そこでこの記事では、種類のほかに構造や仕組み、トラブルを起こしやすい項目などを合わせて解説します。ぜひ参考にしてください。

排水トラップは大きく分けて4種類

種類は大きく分けて4種類から成り立っています。そこで代表的な種類や形状などを詳しく解説していきます。自宅にあるものが、どのような形状をしているのか確認しながら読んでください。

ワントラップ
最近主流になっているのが、ワン型タイプです。キッチンや浴槽によく使用されています。中をみるとお椀型をしたカップが被さっているので、分かりやすい形状です。その中に封水と呼ばれる水が溜まっていて、悪臭などの侵入を防ぎます。

ドラムトラップ
ドラム型は食堂などの大きな流しに使用されています。排水管の2.5倍以上もあるタンクに、封水を溜めていることが特徴です。封水が少なくなって機能しなくなる破水は防げますが、その分深さがあるため汚れは溜まりやすくなります。

管トラップ
管タイプは、一般家庭に広く普及しているタイプです。洗面所やトイレの手洗い場所によく使われています。パイプを曲げて水を溜めていく構造になっているため、狭い場所での設置も可能です。

器具内蔵トラップ
器具内蔵型は、トイレに使用されているタイプです。便器など、器具の中に内蔵されています。水洗トイレの便器をみると水が溜まっている場所があり、そこが内蔵型の封水になっているのです。

排水トラップ種類ごとの構造や仕組み

次は種類ごとに仕組みや構造を解説していきます。仕組みや構造を覚えておくことで、トラブルが生じたときに対処がしやすいので、確認してみてください。また水の流れを知ることも大切です。

ワントラップの構造や仕組み
ワン型は排水管に筒を差し込んで、その上にカップがのっている構造です。水が流れてくると、封水と合わさって水位が上昇します。上がってきた水がワン型の内側を通って排水管に流れ込む仕組みです。

キッチンや浴槽に使用されているタイプですが、汚れが溜まりやすいことも挙げられます。カップは取り外すことが可能であるため、定期的に取り外して掃除をしておきましょう。つまりの原因が回避できます。

ドラムトラップの構造や仕組み
ドラム型は、大きなタンクに2つの排水管が付いているタイプです。上から流れてくる管は、タンクの下側に設置されています。水が増えてくると、タンクの右上にある排水管へ向かう筒から、汚水が流れだしていきます。

タンクのサイズはかなり大きいため、封水が無くなることはありません。しかし底が深くなっているため、汚れが沈殿しやすいことがデメリットのひとつです。食堂などで使用している場合は、業者に依頼して掃除をして貰いましょう。

管トラップの構造や仕組み
管タイプには、SやP、Uなどさまざまな形が存在します。折り曲げて水を溜めていることが特徴です。流れてきた水が、曲がっている部分で封水として溜められます。そして新たな水が流れてくることで、古い水が排水管へと押し流されていくのです。

このタイプは、封水が無くなって機能を果たさなくなる、サイフォン現象が起こりやすいものもあります。またU字と呼ばれるタイプは、汚れが溜まりやすいため注意が必要です。定期的な確認や掃除をおこないましょう。

器具内蔵トラップの構造や仕組み
器具内蔵型はあまり知られていませんが、水洗トイレなどに設置されているタイプです。排泄物を流し切ったあと、封水に水が溜まる仕組みになっています。この水が溜まることで悪臭や害虫の侵入を防ぎます。

トイレでは、紙を大量に流すことが原因でつまってしまうトラブルが多くあります。また固形物を落としてしまうと、除去しにくい構造になっているため注意が必要です。水回りトラブルを起こさないように注意しておきましょう。

排水トラップによる水回りのトラブルとは

ここからは水回りのトラブルを紹介していきます。どのようなことが発生しやすいのか、確認していきましょう。分かりやすいように場所別で解説していきます。ぜひ参考にして回避していきましょう。

キッチン排水トラップ
キッチンの排水は、ワン型タイプがよく使用されています。このタイプのカップは常に封水と密着しているため、ヌメリや雑菌が繁殖しやすくなるのです。こまめに掃除をすることが、トラブル回避の改善策になります。

浴槽排水トラップ
浴槽やユニットバスでは、ワン型やドラムタイプが使用されています。目皿が長方形であれば、ドラムタイプと考えておきましょう。浴槽では髪の毛や垢が溜まりつまりが生じます。ゴミをこまめに取るなどの対処をしてください。

洗面台排水トラップ
洗面台では、管タイプが使用されることが多くあります。このタイプの注意点は、封水が過度に流れてしまう破封です。封水が蒸発などにより減少するため、悪臭や害虫の侵入が防げなくなります。毛やゴミによるつまりに気を付けましょう。

トイレの排水トラップ
トイレでは、器具内蔵型がほとんどです。排泄物を流すため、紙のつまりやお掃除シートのつまりが発生しやすい場所でもあります。また節水をしてしまうと、標準の水量で流れないため、つまりを起こしやすいことも注意してください。

最も大きなトラブル破封に注意

水回りのトラブルで、最も注意しておきたいのが破封です。先ほども紹介しましたが、封水が過度に流れて溜められなくなってしまう状態をいいます。悪臭だけでなくさまざまなトラブルを起こしやすいので、注意しておきましょう。

自己サイホン作用
封水が破封される原因のひとつとして、サイホン作用が挙げられます。これは排水管の途中に設置されている封水が、サイホンの原理によりひっぱられなくなる現象です。水が過度に流されないよう注意してください。

吸出し作用
大量の水が縦の排水管に流されたときに起こる、吸出し作用も原因のひとつです。起こりやすい場所は、高い建物に多くみられます。上の階で大量の水が流されると、気圧の関係で下階の封水も吸い出されてしまうのです。

はね出し作用
急激な高い空気圧で、水が室内に吹き出してしまう現象をはね出し作用といいます。これも破封されるひとつの原因になっているのです。はねだし作用により水が室内側に逆流してくると、悪臭や害虫の侵入が防げなくなってしまいます。

毛細管現象
髪の毛などの繊維状の物体が垂れ下がることで、内部の水が排水されてしまうことがあります。これを毛細管現象と呼び、知らないうちに破封していることもあるのです。そのため、髪の毛やヌメリなどはきれいに掃除しておきましょう。

蒸発
蒸発も破封してしまうひとつの原因です。長期間使用していなかった場合は、封水が蒸発してしまいます。そのため、水が無くなり悪臭や害虫が侵入してくるのです。また気温の高い夏場も、蒸発する可能性があるので注意しましょう。

まとめ

排水トラップは、家の中に悪臭や害虫を侵入させないために必要なアイテムです。種類によって仕組みや構造が異なり、設置されている場所でも形状は違います。どのタイプを使用しているのか確認をしておきましょう。

このことが原因で起こりやすいトラブルも、タイプによってさまざまだと言えるでしょう。そのため水の流れや起こりやすいトラブルを理解して回避ができるように心がけていくことが大切です。

また、1番大きなトラブルに発展しやすいのが破封です。封水が破壊される原因は5つあり、どれも起こる前に予防できる項目です。こまめにゴミやヌメリを掃除して、トラブル知らずのきれいな水回りを維持させましょう。

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