水のコラム

トイレつまりはパイプユニッシュで直せる?適切な使用法を解説

2023年05月12日  トイレ

トイレつまりには「パイプユニッシュを使う」という人は多いかもしれません。パイプユニッシュは、化学メーカーが製造と販売をしている排水管つまり用の薬剤です。

しかし、どの程度効果があるのかを把握している人は少ないでしょう。本記事では、パイプユニッシュの適切な使用法について解説します。

パイプユニッシュとは何か?

パイプユニッシュは、化学メーカーが製造と販売をする排水管用の薬剤です。薬局やホームセンターで手軽に入手できます。塩素系のアルカリ性洗浄薬剤であるパイプユニッシュは、毛や皮脂汚れ、固形石鹸カスなどから発生するドロドロとした滑り汚れを取り除くのに効果があります。

排水管部の黒ズミ汚れも除去でき、嫌な臭気の発生も抑えられます。使い方は単純で、定められた量をボトルから排水口内にそのまま注ぎ、15〜30分くらいそのまま待つだけです。その後は、洗面器に溜めた水ですすぎ流せば、強固な滑りもキレイに洗い落とせます。

パイプユニッシュでトイレつまり問題を解消

台所や風呂、洗面所の排水管のつまりに強力な力を発揮するパイプユニッシュですが、残念ながらトイレのつまりには効力を発揮しません。製品の裏面にある記載事項にも、「トイレのつまりには効果がありません」と明確に記載されています。

トイレつまりのメインの原因であるトイレットペーパーや排泄物の残りは、パイプユニッシュでは取り除けないのです。尿の成分が結晶化して付く尿石も、アルカリ性成分を持っているので同じくアルカリ性の性質を持つパイプユニッシュでは溶かせません。

パイプユニッシュは排水口から下水臭がする場合や滑り汚れが心配な場合に役立つ薬剤ですが、トイレ詰まり解消に向いていない理由がもう1つあります。

それは、洋式トイレの便器内にはいつも水が貯まっているからです。したがって、原液が薄くなってしまうのです。パイプユニッシュの特性を確実に活かすには、排水管の壁面にそのまま薬剤を塗る必要がありますが、トイレだと難しいのです。

トイレつまりを自分で解消する方法

トイレつまりのトラブルにパイプフィニッシュは効果的ではありませんが、トイレつまりは自分で直せる場合があります。自宅で準備できる道具や別の薬剤でトイレのつまりを解決する方法を解説します。

スッポンを使う
トイレつまり解消道具といえば、スッポンといわれる「ラバーカップ」が最もポピュラーといえます。ラバーカップはホームセンターで気軽に購入できます。

作業手順は以下の通りです。

・便器内に水が確実に溜まっているか確かめる
・ラバーカップを押し引きするときに、汚水が飛び散る危険があるので、ビニールシートを便器周辺の床に敷いたり、壁面にサランラップを貼ったりしておく
・ラバーカップを便器内の水中に沈める
・排水口に押し付けてしっかりと密着させ、その後引っ張る動作を繰り返す

この動作で、つまりの原因を抜き出します。押すときは慎重に、引くときは勢いよくするのがポイントです。便器周りが汚れる可能性があるので、作業前に新聞紙を床へ敷いておいたり、ラップを壁に貼ったりしておくといいでしょう。

自宅にあるものを使う
ラバーカップや薬剤を使う方法の他にも、ペットボトルやハンガーといった自宅内にあるものを使ってトイレつまりを解消できるケースがあります。自宅にラバーカップがないけれど、早急に直したい場合に試してみてもいいでしょう。

トイレつまり修理業者へ依頼する
トイレのつまりは自分で直すこともできますが、非水溶性のもの(玩具やスマホなど)や、吸水性のあるもの(オムツや生理用ナプキン類)を流した場合は自分での解決は困難で、業者依頼するのが確実です。

つまり物が水を吸収する場合は時間との戦いです。時間が経過すればするほど除去が難しくなり、トイレや排水管部分に負担がかかる危険があります。専門の修理業者に依頼すると、修理にかかる時間は症状によりますが、軽いつまりレベルだと20〜30分程度で終了します。

パイプユニッシュが効果を発揮できるつまり状況

前項と繰り返しになる部分もありますが、トイレつまりでパイプユニッシュが効果を発揮できるのは、以下の状況です。

・トイレットペーパーや排泄物以外のつまりものがない
・トイレットペーパーや排泄物によるつまりが軽く、水の流れが遅いレベルの「つまりかけ状態」である

もしあなたがトイレットペーパーや排泄物以外の小物類(スマホや玩具)を落としてしまった場合、金属・プラスチック製品なので、パイプユニッシュはもちろん、専門の薬剤でも溶かせません。原因になっている小物を素手で取る必要があります。

トイレつまりが軽めで、水の流れが遅いレベルの場合は、つまり原因の排泄物やトイレットペーパーの量も少ない場合があります。少ない排泄物、トイレットペーパーだとパイプユニッシュでも溶かせるので、パイプユニッシュを使えばトイレつまりが解消されるかもしれません。

ただ、パイプユニッシュは排水口の汚れやつまり専用の商品です。薬局でトイレの軽いつまりに有効な商品が購入できます。そのような製品の方がトイレつまりに効くのはおわかりでしょう。パイプユニッシュは応急処置レベルと考えてください。

汚水が逆流して戻ってくる、または溢れてくる程度のトイレつまりだと、パイプユニッシュを使うと反対にトイレのつまりを深刻化させる危険性もあります。

なぜなら、パイプユニッシュが中途半端に排泄物やトイレットペーパーを溶かし、つまりで発生していた小さな隙間すら妨害してしまう場合も考えられるからです。

またパイプユニッシュは塩素系の薬剤です。酸性タイプの商品と混ざり合うと塩素ガス、酢やアルコール、アンモニア類などと混ざり合うと有害ガスが生まれます。

さらに熱湯を使用するだけでもパイプユニッシュの分解が急速に進んでしまい、有毒な塩素系のガスが生まれる危険があります。

トイレつまりを解決しようと考えて、パイプユニッシュだけでなく別の薬剤や酢、お湯を使用した箇所にパイプユニッシュを混入してしまうと、トイレつまりが深刻化するだけでなく、命の危険に関わる可能性すらあります。

トイレがつまっていることに気づいたら、パイプユニッシュよりもトイレつまり専用の薬剤や製品、道具を使った方が効果があります。

人によっては、残飯をトイレ内に流して捨てているかもしれません。排泄物が流れるから残飯を流しても問題ないという理由です。ただし、トイレは油を流す作りになっていません。そのため、トイレつまりの原因になる危険があります。

ただ、残飯によるトイレつまりのケースは、原因が油やタンパク質のためにパイプユニッシュが有効な場合もあります。しかし、トイレがつまる程度の食品の残りや油がパイプユニッシュで溶かしきれるかは定かではありません。

パイプユニッシュは排水口のつまりを解消するための商品です。排水口に使うからこそ充分な効果が発揮できるように作られているので、たとえトイレつまりの原因が油や残飯だったとしても、思ったほどの効果が得られないと想像した方がいいでしょう。

まとめ

今回は、トイレつまりはパイプユニッシュで直せるのかについて解説しました。適切な使用法も紹介しましたので、実践的に役立つ内容だったのではないでしょうか。

異物以外の軽度のつまりであれば、パイプユニッシュでも問題ありませんが、固形物や積み重なったトイレットペーパーによるつまりのケースはラバーカップを使う必要も出てくるでしょう。業者依頼の可能性も踏まえた上で、対処してみてください。

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