水のコラム

自分で水道の蛇口を取り替えする場合の取り替え方法とポイント

2023年05月25日  水回り

自分で蛇口を取り替えるのは不可能ではありません。しかし、誤った方法で取り替えてしまうと思わぬ事故になりかねません。今回は、自分で水道の蛇口を取り替えする場合のポイントを紹介します。

水道の蛇口を取り替えする前の事前知識

蛇口の寿命は使う回数や設置環境により変動しますが、通常10年といわれています。設置後10年以上経過した蛇口だと、水を停止したはずなのに吐水口部分からポタリポタリと滴ってきたり、つなぎ目から水漏れする問題が発生しやすくなります。

蛇口の水や湯を出すときに捻るハンドル部分が「水は青色・湯は赤色」と分別されているツーハンドルタイプの蛇口だと、水漏れ原因のほとんどはナット箇所の緩みやパッキンパーツの老朽化です。

1つのレバーで水と湯をスイッチするシングルレバータイプの蛇口のケースは、水漏れの原因はつなぎ目のパッキンパーツの老朽化あるいはレバー内部のバルブカートリッジの摩耗かもしれません。

軽い水漏れ程度だと、経年老朽化したパーツの取り替えや長年の使用でゆるまったナット箇所をまた締めれば解消するのがほとんどです。蛇口自体の取り替えをしなくても解消できるでしょう。

ただ、蛇口の作りを知らなかったり日曜大工に不慣れだったりすると、蛇口問題の原因を適切に判断して自分で対処するのは困難です。

また、蛇口そのものも経年により傷んできるため、長年にわたり使い続けると、いずれ壊れます。軽い水漏れ問題の時点だと日常生活への影響は最小限で、余計な水道代金も少ないかもしれません。

ただし急にたくさん水漏れする状況になってしまうと、日常生活に支障をきたすだけでなく階下への水漏れによる被害が起こってしまうことも起こるでしょう。

そのような問題を起こさないために、10年以上使っている蛇口や、使用状況が10年に経っていなくても使いにくさを感じる蛇口の場合、丸ごと取り替えを考えるのもいいでしょう。

蛇口の種類ごとのよくある原因
水道の蛇口の中でも、水・湯を出す際に二つのハンドルがつく種類をツーハンドル式、中心のレバー箇所を左右に操作してスイッチする種類をシングルレバー式といいます。

水漏れの原因のほとんどは、ツーハンドル式のケースはナット箇所のゆるみやパッキンパーツの老朽化、シングルレバー式のケースは本体内部にあるカートリッジの傷みやつなぎ目に使われるパッキンパーツの摩耗かもしれません。

水道の蛇口の取り替えの際に必要な工具

蛇口の種類により必要な道具は違ってきますが、下記の道具があれば日曜大工で取り替えできます。

シールテープ
水漏れを防ぐためのテープで、壁に付くタイプと単水栓タイプの場合は必要となります。

六角レンチ、プラスドライバー
台付属タイプを取り付ける場合に使います。

モンキーレンチまたはウォーターポンププライヤー
単水栓の取り替え以外で使います。モンキーレンチは繊細な作業に向く「ショートタイプモンキー」がより役立ちます。

マイナスドライバー
止水栓を見て、開け閉め動作にマイナスドライバーが必要なときは準備してください。

懐中電灯
台付属タイプの取り付けの際は暗いところでの作業があります。

バケツとボロ雑巾
作業時に周辺が水浸しにならないように注意してください。ペット用シーツを持っている場合は、周りに敷き詰めておくと、吸水力があり処理しやすいので役立ちます。

洗面台の蛇口取り替え時は注意が必要

自力で洗面台の蛇口を取り替える際、洗面ボール内に水をためるための排水栓について確認が必要です。同じ排水栓でも種類がいくつかあり、どのタイプに当たるのかを確かめる必要があります。

ワンプッシュ方式
押しボタン操作によって排水栓の開け閉めをする種類です。排水金具は別購入で、押しボタンは蛇口に付属されています。

ポップアップ方式
引き棒の操作により排水栓の開け閉めをする種類です。排水金具は別購入で、引き棒は蛇口に付属されています。引き棒の穴の場所が製造メーカーにより違うので、ポップアップ方式のケースは同じ製造メーカーの蛇口で取り替える必要があります。

ちなみに、引き棒が洗面台に取り付けられており、蛇口から独立するケースは排水栓を一緒に取り替える必要がないので、排水のタイプに関わらず蛇口を取り替えできます。

ゴム栓方式
ゴム栓を自分で開け閉めするタイプです。蛇口を取り替えるときは、同様のゴム栓方式を選んで取り替え作業をしてください。

水道の蛇口取り替え手順

以下、ワンホール・ツーホール式の取り替え手順を紹介します。

ワンホール・台付属タイプの蛇口取り替え手順
ワンホールタイプの蛇口の取り替えは、取り替えるものと必要な道具が準備できれば自力でできます。ただ、旧製品は蛇口の取り外しが困難だったり、作業によって問題が発生する場合もあるので、自分での取り替え作業に自信がない場合は水道工事業者に依頼しましょう。

水道の元栓を閉める
はじめに水道の元栓を閉めます。流しや洗面台の下部の給水管や給湯管にある止水栓を閉めても大丈夫ですが、経年の傷みで止水栓を止めようとしたときに給水管が折れてしまう、といった問題が起こる場合もあります。

元栓のあるところがわからない、動かないといった理由がない限り、水道の元栓は必ず閉めてください。

旧ホースを撤去する
止水栓の上部のナット箇所をモンキーレンチでゆるめ、給水管と給湯管を接続するホース部分を外します。狭くて暗いところでの作業になるので、ニッパー類でホース部分を切ってから外すと作業がスムーズかもしれません。

既存の蛇口自体を外す
蛇口の裏面に設置されているナット部分を回して取り外し、蛇口を台上から引き抜きましょう。

新品の蛇口を設置する
設置穴の上部から蛇口設置用の台座を、前と後を確かめてから設置し、プラスドライバーで留めます。蛇口は台座に設置して付属されたネジで留めますが、設置のときは本体の方向を再度確かめましょう。

逆止弁を設置する
古い給水管に旧パッキンがないこと、新品の逆止弁にパッキンパーツが付いている状態を確かめ、新品の逆止弁を給水管・給湯管に設置、ホース部分を接続します。

水漏れがないかメンテナンス
水道の元栓を開けて、確実に水が出ているかをチェックします。ホース部分のつなぎ目や蛇口の取り付け箇所から水漏れしなければ終了です。

ツーホール・台付属タイプの蛇口取り替え手順
ツーホールの台付属タイプの蛇口取り替えは、流し裏サイドの狭いところでの作業もあるので、特殊工具や特別な技術が必要になるケースもあります。作業が難しい場合は、水道専門業者に依頼しましょう。

元栓を閉める
はじめに水道の元栓を止めてから作業スタートします。

給水管・給湯管のナット部分を取り外す
正面向かって右側が水、左側がお湯の配管部分です。給水管・給湯管各自のナット部分を回して取り外します。止水栓の上部のナット箇所もゆるめて取り外し、旧ゴムパッキンと逆止弁が付いているときは取り外して清潔にしておきましょう。

古い蛇口を取り外す
蛇口の2つの各穴の裏面に設置されているナット部分を回して取り外し、台上から蛇口を引き抜きましょう。

新品の蛇口を設置する
設置穴の上部から新品蛇口を差し込んで、パッキン、ワッシャー、ナット類の順序で設置します。陶器製の洗面台は、強く締めてしまうと亀裂割れする場合があります。

給水管・給湯管をつなぐ
新品の蛇口に給水管・給湯管を接続します。そのとき、忘れずに新品パッキンパーツを入れましょう。パッキンパーツは付属の部品として蛇口につかない場合があります。しかし、必ず新品に取り替えてください。水漏れ原因になります。

水漏れがないかメンテナンス
水道の元栓を開いて、確実に水が出ていることをチェックします。配管のつなぎ目や蛇口を設置したところから水漏れがなければ終了です。

まとめ

今回は、自分で水道の蛇口を取り替える場合の取り替え方法を解説しました。蛇口を取り替える機会はあまりないかもしれませんが、万一に備えて知識は蓄えておいて損はないでしょう。

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とっとり水道職人(鳥取水道職人) 0120-492-315

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