水のコラム
トイレ使用後の「ドン」という音は危険信号?原因から対処法まで解説
トイレを流した後、壁の中から「ドン」という大きな音が聞こえて驚いた経験はありませんか。この異音は単なる不快な音ではなく、水道設備からの重要な警告信号である可能性があります。
放置すると配管の破損や水漏れなど深刻なトラブルに発展し、修理費用が数十万円に膨らむケースも珍しくありません。本記事では、異音の原因から自分でできる対処法、そして専門業者への依頼が必要なケースまで詳しく解説します。
「ドン」という音を引き起こす原因
トイレ使用後の「ドン」という音には複数の原因が考えられます。最も多いのがウォーターハンマー現象ですが、配管の状態や部品の劣化など様々な要因が重なって発生することもあります。
まずは音の発生原因を正しく理解し、適切な対処法を選択することが重要です。
水道管の中で起きるウォーターハンマー現象が最大の原因
ウォーターハンマー現象とは、水道管内を流れる水が急激に止まることで発生する衝撃現象です。トイレタンクへの給水が完了し、給水弁が閉まる瞬間に水の流れが急停止すると、その運動エネルギーが圧力エネルギーに変わり配管を激しく叩きます。
この衝撃は、壁や床を通じてハンマーで配管を叩いたような「ドン」という振動音として聞こえてきます。特に築年数の経った住宅や集合住宅では、配管設備の劣化により現象が顕著に現れやすくなります。
洗面所やキッチンの蛇口を急に閉めた時にも同様の音が発生することがあり、水まわり全体の問題として捉える必要があります。
配管内に溜まった空気が音を発生させるメカニズム
配管には本来、水撃作用を和らげるための空気室(エアチャンバー)が設けられています。しかし長年の使用により、この空気室に水が満たされてクッションの役割を果たせなくなることがあります。
給排水時の圧力変化で圧縮された空気が反発し、「ボコン」という衝撃音を発生させるケースもあります。配管内に空気が溜まっていると、水を流した際にその空気が押し出される過程で大きな音が発生します。
この現象は定期的なメンテナンスで予防できますが、多くの家庭では空気室の存在すら知らないため、問題が進行してから気づくことが多いのが現状です。
配管を固定する金具の緩みや経年劣化による振動
配管を壁や床に固定している支持金具が緩んだり外れたりすると、わずかな水圧の変動でも配管が振動し、構造物に当たって「ドン」という音を発生させます。
新築やリフォーム直後でも施工不良により同様の問題が起こることがあります。また、築古住宅では鋼鉄製の古い配管が使われていることがあり、腐食して弱くなっていると振動しやすくなります。
配管の固定状態は目視では確認しにくい場所にあることが多く、音が大きくなってから調査した結果問題に気づくケースがほとんどです。
水圧が高すぎることで起こる配管への衝撃
地域によっては水道の元圧が高い場所があり、配管内の圧力変化が大きくなることで音が発生しやすくなります。特にマンションなどでは、夜間など水道を使用する人数が少ない時間帯に水圧が高まることがあります。
複数の部屋で同時に水を使う時間帯に音がひどくなる場合は、水圧の問題である可能性が高いです。高層階では水圧を確保するためにポンプで加圧していることもあり、その影響で水圧が高めになり水を止めるたびに音が発生することもあります。
水圧の問題は個人では解決が難しく、建物全体での対策が必要になることもあります。
トイレタンク内のボールタップなど部品の不具合
トイレタンク内のボールタップという給水部品が劣化すると、給水が止まるタイミングで異音を生じることがあります。ボールタップ内部の小さな部品不良が原因で「ゴンゴン」という衝撃音が出るケースもあります。
タンクへの水がいっぱいになる頃に音が鳴り、日を追うごとに音が大きくなってくることが特徴です。フロートバルブなど他のタンク内部品の劣化も、異音の原因となることがあります。
これらの部品は消耗品であり、定期的な交換が必要ですが、故障するまで交換しない家庭が多いのが実情です。
放置すると危険!起こりうるトラブル
トイレから聞こえる「ドン」という音を軽視すると、予想以上に深刻な被害に発展する可能性があります。早期対応と放置した場合では、被害の規模や生活への影響度で大きく異なります。
以下のトラブルを未然に防ぐためにも、異音の段階で適切な対処を行うことが重要です。
配管破損による水漏れ
繰り返される衝撃により、配管の継ぎ目や経年劣化した部分に亀裂が生じることがあります。最初は髪の毛ほどの小さなひび割れでも、時間とともに拡大し大規模な漏水事故に発展する危険性があります。
特に樹脂製の配管接合部や曲がり角は衝撃に弱く、何度も振動するうちに劣化が進行します。壁の中や床下で起きる漏水は発見が遅れやすく、気づいた時には被害が拡大していることが多いです。
水漏れが発生すると、水道が使えなくなり、修理工事中は生活に大きな不便が生じることになります。
壁や床の腐食による建物の強度低下
配管からの漏水が続くと、木造住宅では柱や土台が腐食し、コンクリート造でも内部の鉄筋が錆びて強度低下を招きます。壁紙や床材にシミや変色が現れ、材質が膨らんだりカビが発生したりと生活環境も悪化します。
カビの発生は見た目の問題だけでなく、アレルギーや呼吸器系の健康被害を引き起こす可能性もあります。特に小さな子供や高齢者がいる家庭では、カビによる健康リスクは無視できません。
長期間漏水を放置したりすると、床が腐って抜けそうになるなど、安全に暮らせない状況に陥ることもあります。
深夜・早朝の騒音による近隣トラブル
集合住宅では「ドン」という音や振動が上下階や隣室に伝わりやすく、特に深夜や早朝の使用では周囲の住民の睡眠を妨害したり不快感を与えたりしてしまいます。
突然壁を殴られたような音は、事情を知らない隣人には嫌がらせと受け取られることもあります。音だけでもトラブルの原因となりますが、実際に漏水が他の部屋に及べば、さらに深刻な問題に発展します。
管理組合への報告や話し合いが必要になるなど、精神的な負担も大きくなるため、早めの対処が望まれます。
今すぐできる!音を止めるための対処法
異音の原因に心当たりがある場合は、以下の対処法を順番に試してみましょう。専門知識がなくても実践できる方法から、ホームセンターで購入できる部品を使った対策まで段階的に紹介します。
ただし、無理は禁物です。作業に不安がある場合は、早めに専門業者に相談することをおすすめします。
1.トイレレバーを2〜3秒かけてゆっくり操作する
最も手軽な対策として、水の流れを急激に止めないよう意識することが挙げられます。トイレのレバーを勢いよく下ろすのではなく、2〜3秒かけてゆっくりと動かすようにしましょう。
この方法を家族全員が実践することで、音の発生頻度を減らすことができます。ただし、これは根本的な解決にはならないため、他の対策と組み合わせて実施することが効果的です。
レバーの操作速度を変えるだけで音が小さくなる場合は、ウォーターハンマー現象が原因である可能性が高いです。
2.止水栓をドライバーで少しずつ調整して水圧を下げる
トイレタンク横にある止水栓をドライバーやコインで時計回りに少し回し、水の出る量を絞ることで音が改善することがあります。止水栓は通常、壁から出ている配管とタンクをつなぐ部分にあります。
一度に閉めすぎると給水量が不足して流れが悪くなるため、少しずつ調整することが大切です。家全体の水圧を下げたい場合は、水道メーターボックス内の元栓を少し閉める方法もあります。
調整後は必ずトイレを流してみて、十分な水量が確保されているか確認しましょう。
3.家中の蛇口を開けて配管内の空気抜きをする
配管内のエアチャンバーが水で満たされている場合、空気抜きをすることで改善することがあります。まず家中のすべての蛇口を開け、トイレのレバーも開放して流水状態にします。
次に水道メーターボックス内の元栓を完全に閉め、各蛇口から水が出なくなるまで待ちます。そのまま数分間放置して配管内に空気が入り込むのを待ち、元栓をゆっくり再び開けて水を通水させます。
最後に開けていた各蛇口を一つずつ順番にゆっくりと閉めていけば作業完了です。家族にも声をかけて了承を得てから行いましょう。
4.防止器具を取り付ける
根本的な対策として、ウォーターハンマー防止器を配管に設置する方法があります。この器具は水道管内の圧力変動を吸収して衝撃を和らげるもので、ホームセンターで5,000〜20,000円程度で購入できます。
トイレタンクの給水管と止水栓の間に取り付けるタイプや、蛇口直下に付けるタイプなどがあります。取り付けはモンキーレンチなどの工具を使い、説明書に従って確実に行いましょう。
設置後は必ず接続部分の水漏れチェックを行い、問題がないことを確認してから使用を開始します。
5.効果がなければタンク内部品の交換を検討する
タンク内から異音がしている場合は、ボールタップやフロートバルブなどの部品交換で解決できることがあります。止水栓を閉めてタンクへの給水を止め、タンクのフタを取り外します。
古い部品を取り外し、新しい部品を取り付けて固定します。部品はホームセンターで購入できますが、メーカーや型番を確認してから購入することが重要です。
作業に自信がない場合や、交換しても改善しない場合は、無理をせず専門業者に相談しましょう。
鳥取県内で修理部品が買える大型ホームセンター
自分で対策する際に必要な部品や工具は、地元のホームセンターで入手できます。鳥取県内には以下のような大型ホームセンターがあり、水道関連の部品も豊富に取り揃えています。
カインズFC鳥取店
住所:鳥取県鳥取市古海字西加路田590
営業時間:資材館:月〜土7:00〜20:00 日9:00〜20:00
JR鳥取駅から徒歩約28分の立地で、家具から家電、ガーデニング用品まで幅広い品揃えが特徴です。サービスカウンターが充実しており、返品や交換対応も行っています。
スーパーホームセンターいない米子店
住所:鳥取県米子市東福原7丁目22-1
営業時間:資材館 7:00〜19:30(日・祝7:30〜20:00)
米子市にある地域密着型の大型店舗で、ペットショップも併設されています。国道沿いでアクセスが良く、駐車場も広いため利用しやすい環境です。
コーナン米子河崎店
住所:鳥取県米子市河崎3248-1
営業時間:月〜土 7:30〜20:00、日 9:00〜20:00
全国展開するコーナンチェーンの大型店で、セルフ作業スペースや木材カットサービス、自動支払機も完備しています。
ナンバホームセンター鳥取店
住所:鳥取県鳥取市安長211-1
営業時間:8:00〜19:00
関西地盤のナンバチェーンが運営する店舗で、店員が親切丁寧で的確なアドバイスをくれると評価されています。
ホームプラザナフコ東鳥取店
住所:鳥取県鳥取市国府町新通り4-408-16
営業時間:8:00〜19:30
九州発のナフコが展開する大型店で、隣接の「Nガーデン」ではアウトドア用品も豊富に揃っています。
自力での解決が難しい場合は「とっとり水道職人」へ
防止器具を取り付けても効果がない場合や、壁や床、2階にトイレがある場合は天井に水シミがある場合、原因が特定できない場合など、自力での対処が難しい状況では専門業者への依頼が必要です。
とっとり水道職人は、鳥取県全域をサービスエリアとして24時間365日受付対応している水道修理業者です。年末年始やお盆でもサービスを提供しており、急な水トラブルにも最短30分から1時間ほどで現地へ訪問します。
作業前には詳細な見積もりを提供し、お客様が納得した上で修理を開始するため安心です。見積もりまでは無料で、キャンセル料も発生しません。支払い方法も現金やクレジットカード、銀行振込み、QRコード決済、コンビニ支払いなど多様な方法から選択できます。高い専門技術を持つスタッフが駆けつけて最新の技術で適切な修理を行います。施工日から最長3年間の作業保証制度も設けているため、長く安心して利用できる体制が整っています。(※商品の保証期間については商品の保証書に従う。)
トイレの異音でお困りの際は、ぜひ早めの相談をおすすめします。小さな異音も放置せず適切に対処することで、快適で安心な暮らしを守ることができます。
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