水のコラム
アパートのトイレつまりは下の階にも影響する?原因の見分け方と対処法【水道職人:プロ】

多くのアパートやマンションでは、部屋の中はそれぞれ分かれていても、建物の設備まですべて独立しているわけではありません。
トイレから流した水も、床や壁の裏側にある配管を通って、共用の排水管へと合流していきます。
普段はほとんど意識することはありませんが、トイレがつまったときなどに関わってくるのがこの部分です。
便器近くで流れが止まっているだけなら影響はその部屋に限られますが、共用管側でつまりが起きてしまうと、下の階を含む複数の部屋で流れが悪くなってしまうことも。
今回のコラムでは、こういったトイレのつまりが下の階へ影響する仕組みや、被害を広げないための応急処置、また自分で対処できる範囲などについて順を追って解説します。
目次
トイレつまりが下の階へ影響する仕組み

アパートなど集合住宅のトイレは、便器から出た排水が各部屋の枝管を通り、建物を縦に走る排水管へと合流する造りが一般的です。
さらに下まで流れた汚水は、建物の底にある横向きの排水管を経て屋外へ。
部屋ごとに別々のトイレを使っていても、その先では同じ配管につながっているというわけです。
つまりの症状が便器や各部屋内の配管で起きているだけなら、影響は基本的にその部屋に限られますが、複数の部屋が使う共用管内で流れが止まると、上から流れてきた汚水の逃げ場がなくなり、低い階のトイレなどへ逆流するといったケースもあります。
自分では何も流していないのに便器の水位が上がってくるような場合は、共用管側のつまりが起きている可能性が考えられます。
症状が出ている場所から見当をつける
自分の部屋のトイレだけが流れにくく、他の水回りにも特に変化がなければ、便器に近い部分だけでつまっている可能性が高くなります。
一方、浴室や洗面所でも流れが悪かったり、使っていないのに水位が動くといった場合は、もう少し先の排水管に問題が起きているのかもしれません。
複数の部屋で同じ症状が出ていれば、共用部分のつまりが疑われますが、入居者側でその位置まで特定するのは難しいため、分かる範囲の症状を管理会社や大家さんへ伝え、建物側の確認や判断を待ちましょう。
トイレつまりに気づいたときの応急処置

水の引きが悪いからといって、確認のために何度もレバーを回すのは禁物です。
排水路がふさがったまま水を足してしまうと、便器の水位はさらに上がり、床などへあふれるおそれがあります。
まずはトイレを使用できないことをご家族にも伝え、自動洗浄機能が付いている場合は、念のため停止しておきましょう。
誤って操作するのが心配な場合は、便器の後ろや横に設置されている止水栓も閉めておくと安心です。
ただし、タンクの中には一回分程度の水は残っているため、止水栓を閉めただけで水が流れなくなるわけではありません。
レバーや洗浄ボタンには触れないよう注意してください。
また便器のふち近くまで水位が上がってきている場合は、灯油用のポンプや紙コップなどの器を使って少しずつバケツなどへ移しておきましょう。
共用管側がつまっている可能性もあるため、汲み出した水を浴室や洗面所などへ流すのは避けて、そのまましばらく様子を見る方が安全です。
ひとまず水があふれる危険がなくなってから、最優先で管理会社や大家さんへ連絡を入れてください。
直前に流したものや、いつから症状が出ているかなども伝えられると、原因を切り分けやすくなるはずです。
すでに床まであふれている場合
床へ出た汚水は、トイレの外へ広がらないようタオルなどでせき止めつつ、できるだけ早く拭き取りましょう。
コンセント付近まで濡れてしまっている場合は、感電のおそれがあるため、濡れた手でプラグや電源に触れないよう注意してください。
また余裕があれば、片付け始める前に、便器の水位や床が濡れた範囲を安全な位置から撮影しておくと、管理会社や保険会社へ状況を伝える際に役立ちます。
階下まで水が回っている可能性もあるため、床へあふれた場合は水量にかかわらず、直ちに管理会社へ報告するようにしてください。
自分で試せる対処と避けたい行動

症状が自分の部屋のトイレだけの問題で、トイレットペーパーや排泄物のつまりが原因だと考えられる場合は、ラバーカップ(スッポン)などを使用することで流れが戻ることもあります。
ただし、何がつまっているか分からない場合や、その他の水回りにも異変が出ているようであれば、自己判断で作業せず管理会社の案内を待ちましょう。
ラバーカップを使う方法
まずは便器の水位をラバーカップのゴム部分が浸かる程度に調整してから、排水口へ密着させます。
そのままゆっくりと押し込み、勢いよく引き上げるという動作を何度か繰り返しましょう。
押し流すのではなく、引く力でつまりを動かすイメージで慎重に試してみてください。
また水が引き始めても、すぐにレバーを回すのは避けましょう。
まずはバケツなどに用意したきれいな水を少しずつ注ぎ、普段どおり流れるかどうか確認してみてください。
何度か試しても変化がない、一度流れてもすぐにまたつまるような場合は、無理をせずそこで作業を止めてください。
ラバーカップを使ったトイレのつまり対策については、以下の記事でも紹介していますのでご参考までに。
(関連記事:トイレのつまりの症状と自分でできる修理方法5つ)
固形物や原因不明のつまりには使わないこと
スマートフォンや掃除用品、おむつなど、水に溶けないものを流した心当たりがあるなら、ラバーカップは使用しないでください。
圧力によって異物が便器の奥へ移動してしまうことで、さらに被害が拡大してしまうリスクがあります。
他にも熱湯を注いだり、排水管掃除用の薬剤などを大量に入れたり、針金で奥を突くといった方法も避けてください。
便器や配管を傷める原因になりますし、基本的に市販されているような薬剤では固形物を溶かすことはできません。
くれぐれも自分での解消を試みる場合は、原因がトイレットペーパーや排泄物だとはっきりしている軽いつまりまでにしておくよう留めておいてください。
管理会社へ連絡したあとの流れ

管理会社や大家さんへ連絡するときは、単に「トイレが流れない」と伝えるだけでなく、水位や異音の有無、他の水回り設備にも違和感があるかなどをまとめて伝えるとスムーズです。
すでに床まで水があふれているようであれば、その範囲や階下への影響が心配なこともあわせて伝えておきましょう。
賃貸物件では、管理会社が提携している修理業者や、あらかじめ決められた対応手順が用意されていることが多いです。
先に自分で業者を手配してしまうと、修理費用を負担してもらえない可能性もありますので、緊急時を除いては管理会社からの案内を待つ方が確実です。
夜間や管理会社への連絡がつかない期間に起きた場合であっても、契約書や入居者向けの案内に緊急連絡先が載っていないか確認してみてください。
(参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に関する参考資料)
修理費用は原因と契約内容次第
建物全体の排水管の老朽化やつまりが原因であれば、貸主側の負担で修理されることが一般的です。
一方で、借主側が異物を落としたり、トイレットペーパーを一度に大量に流したりしてしまったことが原因であれば、入居者に費用負担を求められるケースもあります。
どちらが負担することになるかは、修理業者による調査結果や賃貸借契約の内容を踏まえて決まります。
原因が分からない段階で自己判断せず、濡れた場所の写真や管理会社とのやり取り、修理時の書類などをできるだけ保管しつつ後々の対応に備えておきましょう。
トイレつまりの被害を広げないために
集合住宅におけるトイレのつまりは、便器内だけの問題の場合もあれば、各部屋の排水が集まる配管内で起きていることもあります。
見た目だけで判断するのは難しく、自分の部屋では何もしていなくても、影響が広範囲に広がってしまう危険があるのが集合住宅の難しいところです。
異常を感じた際、まずは自己判断で水を流したりせず、分かる範囲の状況を管理会社や大家さんへ伝えることを最優先に動いてください。
建物側の配管を調べてもらうのか、部屋側の修理を進めるのかなど方針さえ決まれば、後々の費用負担をめぐる行き違いも避けやすくなります。
管理会社などから各自修理業者を手配するよう案内された際は、私たち「とっとり水道職人」へご相談ください。
水道局指定工事店として、トイレつまりの原因調査や修理に幅広く対応しております。
現地で必要な作業と費用をご説明した上で、ご納得いただいてからの作業を徹底しております。
トイレのトラブルにお困りの際は、ぜひお気軽にご連絡ください。
※本記事でご紹介している方法は、一般的な対処法の例です。
作業を行う際は、ご自身の状況や設備を確認のうえ、無理のない範囲で行ってください。
記事内容を参考に作業を行った結果生じた不具合やトラブルについては、当社では責任を負いかねます。
少しでも不安がある場合や、作業に自信がない場合は、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。
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