水のコラム

「タンクレストイレはやめたほうがいい」は本当?後悔しないための基礎知識

2025年10月21日  トイレ

タンクレストイレは見た目がスタイリッシュで人気がありますが、「やめたほうがいい」という声も聞かれます。これは水圧不足によるつまりやすさ、停電時の不便さ、高額な修理費用などが理由です。

しかし、メリットも多く、適切な知識があれば快適に使用できます。本記事では、タンクレストイレの基本的な仕組みから、メリット・デメリット、よくあるトラブルと対処法まで詳しく解説します。

タンクレストイレとは

タンクレストイレは、従来のトイレと異なり背面にタンクがない設計のトイレです。近年、新築住宅やリフォームで採用されることが増えていますが、その仕組みや特徴を正しく理解することが大切です。

従来のタンク式トイレとの違い

タンク式トイレは、便器の後ろに設置されたタンクに水を溜め、レバーやボタンを押すことでタンク内の水が重力によって一気に流れる仕組みです。水の勢いは重力に頼るため安定しており、電気が不要で停電時でも使用できます。

一方、タンクレストイレは水道管から直接水を流す構造で、タンク部分がありません。そのため便器周辺がすっきりしており、トイレ空間を広く使えるのが特徴です。

ただし、水道の圧力だけで洗浄するため、建物の水圧環境に左右されやすいという違いがあります。また、タンク式は手洗い器がタンク上部に付いているものが多いですが、タンクレストイレには手洗い器が付属していません。別途、独立した手洗い器を設置するか、トイレ外で手を洗う必要があります。

タンクレストイレの仕組みと特徴

タンクレストイレは、水道管から直接供給される水圧を利用して洗浄します。便器内部には電磁弁やポンプが組み込まれており、電気制御によって水量や水流を調整する仕組みです。

1回の洗浄に使う水量は3~4リットル程度と、従来のタンク式に比べて大幅に少なく、高い節水性能を誇ります。

電気制御のため、停電時には基本的に自動で水を流すことができません。ただし、機種によっては非常用の手動レバーや乾電池駆動モードを備えているものもあります。

また、便器とウォシュレットなどの機能部が一体化した設計が多く、シンプルで洗練された外観です。

タンクレストイレのメリット

タンクレストイレには、見た目の美しさや使い勝手の良さなど、さまざまなメリットがあります。特に節水・節電性能の高さは、長期的に見ると家計にも優しいポイントです。

見た目がスタイリッシュで掃除がしやすい

タンクレストイレ最大の魅力は、そのスタイリッシュなデザインです。背面にタンクがないため、便器周辺がすっきりとして圧迫感がなく、トイレ空間全体がおしゃれで洗練された印象になります。

また、便器自体に凹凸が少なく、便器の後ろまでしっかり手が届くため拭き掃除がしやすいのも大きなメリットです。タンク式トイレでは、タンクと便器の隙間や配管周りにホコリが溜まりやすく、掃除に手間がかかります。

タンクレストイレなら、便器表面をさっと拭くだけで清潔さを保てるため、日々のお手入れが格段に楽になります。衛生面を重視する方にとって、掃除のしやすさは大きな魅力でしょう。

節水・節電でランニングコストを削減できる

タンクレストイレは優れた節水性能を持ち、1回の洗浄に使う水量が3.3~3.8リットル程度と非常に少ないです。これは従来のタンク式トイレと比べると、3分の1以下の水量で済むことになります。

家族4人が1日に合計20回トイレを使用すると仮定すると、年間で数千円から1万円以上の水道代削減が期待できます。また、電気を使う温水洗浄便座機能も省エネ設計になっており、電気代の節約にもつながります。

便器本体がタンク式トイレよりも高額なため初期費用は多めにかかりますが、長期的に使用することで、ランニングコストの削減効果を得られ、差額を回収できる可能性があります。環境にも家計にも優しい選択といえるでしょう。

トイレ空間を広く使える

タンクがない分、便器の奥行きが短くなり、トイレ空間を有効活用できます。特に狭いトイレでは、この10~15センチの差が体感的な広さに大きく影響します。

空いたスペースを活用して、収納棚や手洗いカウンターを設置したり、ゆったりとした動線を確保したりすることが可能です。車椅子をお使いの方や、介護が必要な方がいるご家庭でも、広い空間があることで介助がしやすくなります。

また、圧迫感が少ないため、トイレ空間全体に開放感が生まれ、居心地の良い空間づくりができます。

「やめたほうがいい」と言われる理由

タンクレストイレには多くのメリットがある一方で、「やめたほうがいい」と言われる理由もいくつか存在します。導入前にこれらのデメリットを正しく理解しておくことが、後悔しないための重要なポイントです。

水圧不足でつまりやすくなる

タンクレストイレは水道管から直接水を流すため、建物の水圧に大きく依存します。水圧が十分でない住宅や、マンションの高層階などでは、洗浄力が弱くなりつまりやすくなる可能性があります。

タンク式トイレはタンク内の水を重力で一気に流すため、水圧の影響を受けにくいのに対し、タンクレスは水道の圧力だけが頼りです。特に古い建物や、給水設備が十分でない場合は注意が必要です。

また、1回の洗浄水量が少ないため、トイレットペーパーを大量に流したり、水に溶けにくい製品を流したりするとつまりの原因になります。使用の際は、紙を小分けにして流すなどの配慮が求められます。

停電時に使えなくなる

タンクレストイレは電磁弁やポンプを電気で制御しているため、停電時には基本的に自動で水を流すことができません。これは災害時や計画停電時に大きな不便となります。

停電中に使用する場合は、バケツで4~5リットル以上の水を用意し、便器に一気に注ぎ込むことで強制的に排水する必要があります。ただし、この方法は手間がかかり、頻繁に使用するのは現実的ではありません。

一部の機種では非常用の手動レバーや乾電池駆動モードが備わっていますが、すべての製品に標準装備されているわけではありません。導入時には、停電時の対応方法を確認しておくことが重要です。

故障したら全交換が必要で修理費用が高額

タンクレストイレは便器とウォシュレットなどの機能部が一体化しているため、一部が故障しても部分的な交換修理が基本的にできません。多くの場合、ユニット全体の修理や交換が必要となります。

例えば、ウォシュレット機能だけが故障した場合でも、便座部分だけを交換することはできず、本体ごと修理または交換しなければならないケースがあります。これにより、修理費用が数万円から十数万円と高額になることがあります。

また、電子制御部品の故障はメーカー送りでの修理となることが多く、部品の取り寄せや修理期間中はトイレが使えない不便さも伴います。保証期間外の故障では全額自己負担となるため、長期的なコストを考慮する必要があります。

手洗い器が別途必要になる

タンクレストイレには、タンク式トイレの上部に付いているような手洗い器が付属していません。そのため、トイレ使用後に手を洗う場所を別に確保する必要があります。

独立した手洗い器をトイレ内に新設する場合、工事費込みで数万円から十数万円程度の追加費用がかかります。手洗い器を設置しない選択もできますが、その場合はトイレ外の洗面所まで移動しなければならず、利便性が低下します。

また、手を洗わずに移動すると衛生面での懸念があるほか、水滴を落としながら移動することで廊下が濡れるといった問題も生じる可能性があります。

初期費用がタンク式より高い

タンクレストイレの本体価格は、同程度の機能を持つタンク式トイレと比べて高額です。さらに、前述の手洗い器設置費用や、トイレに電源コンセントがない場合の電気工事費用も加わります。これらを合計すると、当初の予算を大幅に超過してしまう可能性があります。

節水・節電によるランニングコストの削減効果はありますが、初期費用の差額を回収するには相当な年数がかかります。予算に余裕があるか、長期的な視点で導入を検討することが大切です。

タンクレストイレで起こりやすいトラブルと症状

タンクレストイレ特有の構造上、いくつかのトラブルが起こりやすいことが知られています。これらの症状を早期に発見し、適切に対処することが重要です。

つまりや排水不良

タンクレストイレで最も多いトラブルがつまりです。水を流しても便や紙が完全に流れ切らず便器内に残ったり、水位が上がって流れが悪くなったりする症状が現れます。

つまりの主な原因は、水圧不足や1回の洗浄水量とトイレットペーパーに使用量のバランスが取れていないことです。トイレットペーパーを一度に大量に流したり、水に溶けにくい製品(ウェットティッシュ、おしり拭きシート、生理用品など)を誤って流したりするとつまりが発生しやすくなります。

軽度のつまりであれば市販の道具や薬剤で解消できることもありますが、放置すると排水管内に汚物やトイレットペーパーが蓄積し、最終的には完全に閉塞して汚水が溢れ出す危険性があります。

水が流れない(停電・故障)

ボタンを押しても一切水が出ないというトラブルも発生します。これは停電や電気系統のトラブル、または内部の電装部品の故障が原因です。

停電中は電磁弁が開かないため水が流れませんが、電気が復旧すれば使用できるようになります。一方、通電しているのに水が流れない場合は、電磁弁やセンサー、制御基板などの故障が疑われます。

電子部品の故障は個人では対処できず、メーカーや専門業者による修理が必要です。修理には数万円から十数万円の費用がかかることもあり、部品の取り寄せ期間中はトイレが使えない不便さも伴います。

水漏れ・床の濡れ

トイレの床が濡れている、水たまりができている、便器周辺に漏水の跡があるといった症状も要注意です。タンクレストイレ特有の原因として、内部配管の接続部やゴムパッキンの劣化、ウォシュレット機能部分からの漏水などが考えられます。

また、冷水を直接流す構造のため、便器表面に結露が発生し、その水滴が床に垂れて濡れているケースもあります。水漏れを放置すると、床材の変色や腐敗、カビの発生につながり、集合住宅では階下への漏水被害という深刻な事態にも発展しかねません。

タンクレストイレは構造が複雑なため、水漏れ箇所の特定が難しく、原因不明のまま被害が拡大するリスクもあります。

自分でできるタンクレストイレのメンテナンス方法

タンクレストイレのトラブルの中には、自分で対処できるものもあります。日頃からできる予防策や、軽度のトラブルへの対処法を知っておくことで、快適に使用し続けることができます。

日頃からできるつまり予防策

つまりを防ぐには、日常的な使い方に気をつけることが最も重要です。トイレットペーパーは一度に大量に流さず、小分けにして流しましょう。タンクレストイレは少ない水量で流すため、紙の量が多いと流し切れずにつまりの原因となります。

絶対に流してはいけないものとして、ウェットティッシュ、おしり拭きシート、生理用品、オムツなどがあります。これらは水に溶けにくく、つまりの大きな原因です。必ずゴミ箱に捨て、誤って便器に落ちた場合でも流さずに取り出してください。

また、市販のパイプクリーナー(パイプ洗浄剤)を週1回程度使用することで、排水管内の汚れ蓄積や尿石による管径の狭まりを防ぐことができます。定期的な配管清掃もつまり予防に効果的です。

軽度のつまりを自分で解消する方法

トイレが軽くつまった場合、まず試したいのが食器用洗剤とお湯を使う方法です。食器用中性洗剤をコップ1杯(約100ml)ほど便器内の水に注ぎ、50~60℃程度の温湯をバケツで静かに注ぎ入れます。

熱湯は陶器製である便器を傷める恐れがあるため、手で触れられる程度の温度にしてください。お湯を注いだ後は20~30分放置します。洗剤の界面活性剤が紙や汚物を分解・滑らかにして押し流し、つまりが解消されることがあります。

それでも改善しない場合は、ラバーカップ(すっぽん)を使いましょう。洋式用のフラットタイプを用意し、便器の排水口にしっかり押し当てます。ゆっくり押し込んでから一気に引く動作を数回繰り返します。押す時より引く時に力を入れるのがポイントです。

強くやりすぎると汚水が飛び散る可能性があるため、周囲にビニールシートを敷き、マスクとゴム手袋を着用してください。それでも取れない場合は、排水管洗浄ワイヤー(スネーク)を使う方法もありますが、30分程度試してダメなら無理をせず専門業者に依頼しましょう。

水漏れ時の応急処置方法

床が濡れるほどの水漏れに気づいたら、まず便器横の止水栓を閉めて給水を止めます。止水栓は壁や床にあり、マイナスドライバーやコインで回すタイプが一般的です。

止水後、雑巾やモップで床の水を拭き取り、床材への浸水拡大を防ぎます。次に漏れている箇所を観察しましょう。便器と床の接合部からなら封水筒パッキン、便器内部から染み出すなら配管や本体の亀裂、給水ホース周辺なら接続部の緩みなどが考えられます。

ナットの緩みなど明確な原因があれば増し締めするといった応急対応も可能ですが、タンクレストイレは内部構造が複雑なため無理は禁物です。原因特定が難しい場合は速やかに業者へ修理を依頼してください。

応急処置として床を乾燥させる際、電気ヒーター等で直接温めないよう注意しましょう。漏電の危険があります。

鳥取県内でおすすめのホームセンター

タンクレストイレのトラブル対策グッズを揃えるには、品揃え豊富なホームセンターが便利です。鳥取県内で水まわり修理用品の購入におすすめの店舗をご紹介します。

カインズFC鳥取店

住所:鳥取県鳥取市古海字西加路田590

営業時間:資材館: 月〜土7:00〜20:00 日9:00〜20:00

鳥取市内にある大型ホームセンターで、家具・家電からガーデニング用品まで幅広く取り揃えています。価格も安く品質も信頼できると評判で、サービスカウンターが充実しており返品交換対応も安心です。トイレ詰まり対策用品も豊富に並んでおり、急なトラブル時にすぐ買いに行けます。

スーパーホームセンターいない倉吉中央店 本館

住所:鳥取県倉吉市下田中町947-2

営業時間:7:30~20:00

鳥取中部エリア・倉吉市に位置する大型店で、業務スーパーが併設されているため日常の生活必需品もまとめて揃います。日用品・消耗品の価格も比較的安く、駐車場が広いので車利用に便利です。トイレ用のラバーカップや洗浄剤コーナーもあり、地元で頼れるお店です。

ジュンテンドー久米店

住所:鳥取県米子市久米町188番地

営業時間:8:00~19:30

鳥取県西部、米子市の大型ホームセンターで、必要なDIY用品・園芸用品・ペット用品など一通りのものが揃っています。夜は19時30分まで営業しており仕事帰りにも立ち寄りやすいです。コイン精米機や灯油スタンドを備え、隣にスーパー(スーパーいしかわ)も併設されており、買い物の利便性が非常に高いです。

これらの店舗でラバーカップ、パイプクリーナー、排水管洗浄ワイヤーなどのトラブル対処グッズを購入できます。常備しておくと安心です。

自力で対処できないトラブルは「とっとり水道職人」へ

タンクレストイレのトラブルの中には、専門的な知識や技術、機材が必要で、一般の方では対処できないケースも多くあります。ラバーカップや家庭用ワイヤーで改善しないつまり、排水管の奥でのつまり、子供のおもちゃやスマートフォンなど硬い異物が原因のつまりは、高圧洗浄機や便器の取り外しが必要です。

操作パネルにエラー表示が出る、通電しているのに動作しない、異音がするといった電気系統の不良も、メーカーや専門業者でないと対応できません。また、水漏れを伴う電装故障、便器の亀裂や破損、タンクレストイレへのリフォームなど、給排水工事や電気工事を伴う作業も専門領域です。

このような場合は、無理をせず早めにプロの力を借りましょう。

鳥取県内で水まわりのトラブルにお困りの際は、「とっとり水道職人」にご相談ください。鳥取県全域を対応エリアとし、24時間365日いつでも受付対応しております。年末年始やお盆でもサービスを提供しており、最短30分から1時間ほどで現地へ訪問し、トラブルを迅速に解決いたします。

作業前には詳細な見積もりを提供し、お客様が納得された上で修理を開始いたしますので、料金面でも安心です。お支払いは現金・クレジットカード・銀行振込み、QRコード決済、コンビニ支払いなど、さまざまな方法からお選びいただけます。

専門の技術者が最新の技術で適切な修理を行いますので、タンクレストイレのトラブルでお困りの際はお気軽にお問い合わせください。

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とっとり水道職人(鳥取水道職人) 0120-492-315

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